据付赤道儀の自動導入改造(アスコSX赤道儀)
2010.08.19
依頼されていた知人の今は無き旭精光(アスコ)製の赤道儀の自動導入化改造を行なってきました。今回はパネルを再製作し、コントロール基板(E-ZEUS)とドライバ、電源を内蔵しました。現地での設置負荷を考えると、やはりそっくり入れ替えた方がスムーズに行きます。
なお当方の赤道儀でも事前確認はしていたのですが、実際に取り付けてみるとやはり負荷条件が変り、特に赤緯モータ(PK543TH20)がちょっと小さいせいか、予定した高速駆動倍率(200倍以上)まで出ていません。モーターは中古品が安く手に入ったのと、カタログ上での駆動トルクが当天文台のモータとほぼ同じだったので行けると思いましたが、やはり余裕を持って大きなモータにした方が無難でした。(赤経はPK564H50)
またギア付きモータは結構音もうるさいですね・・。
導入精度はほぼ問題ありませんが、やはり超高速で動いた方が気持ちが良いものです。
赤道儀内にまだスペースはあるので、後日当天文台と同様の大型ギアレスモータ(PK569)に変更する予定です。
※2012年5月に高トルクの大型ギアレスモータ並びに制御基板類を全面交換して現在は高速×300倍のスピードでスムーズに動いています。
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2012.07.08
※改造後の駆動系システムに対してのご質問がありましたので、以下情報を追加
致しました。
駆動モーターは赤経軸、赤緯軸ともオリエンタルモーターのPK569-A(5相)
に交換しています。
ギアの無いモーター単品の為、バックラッシュが無く、値段も安いです。
整備された赤道儀ならトルクには問題ありませんが、ギアが無い為、マイクロステップ
で使用することが前提となります。
【赤緯軸】 ※モーター直結
※赤緯軸はウォーム軸径φ6mm、モーター軸径φ8mmの為、軸径変換ジョイント
が必要
【赤経軸】 ※ギアで伝達
・・モータ軸側48枚、ウォーム軸側72枚(m1) 伝達ギア比1.5
【制御部】
ドライバは両軸ともオリエンタルモーター製DFC5114P(1.5A/相)を
マイクロステップ分周比1/20で使用。
制御用ロジック基板はK-ASTEC製AGS-10を基板のみ購入。
電源は大容量のコーセルの10Aスイッチング電源に交換した為、BOX内に
収まらず現在は外置きで使用。
(写真は当初の仕様で電源が内蔵されている状態)
【落雷にご注意!】
設置後に友人から突然動かなくなったと言うことで現地確認した結果、以下写真の
ようにICが見事破損しておりました。
メーカーに修理を依頼したところ、ほぼ全てのICが破損してしまっているとのことで、
ICの全数交換を余儀なくされました。
原因は『落雷によるサージ電流』が電源ラインから流入したものと思われます。
特に離れた場所に観測所を設置している場合は、使わない時は電源コードを
コンセントから抜いておいた方が無難かと思います。
最低限のサージ対策はしてあるものの、基板は意外と弱い物です。